腰痛における疼痛関連脳活動

背景と目的

 ほとんどの腰痛患者は、自然経過あるいは保存的治療によって疼痛の改善が得られ、手術治療を要する患者もその成績は一般に良好である。しかし、少数ながらなんちせいの非特異的腰痛患者が存在し、現在までに心理的・社会的問題の関与が慢性腰痛のリスク因子として指摘されている。一方、痛みは「情動的体験」であもあり、脳における情動的な認知の違いによって、個人の感じる疼痛に違いが生じることが知られている。また、慢性腰痛患者が抱える心理的・社会的問題が、その疼痛の認知を歪めている可能性も考えられる。このように脳における疼痛認知のメカニズムは、様々な要素が影響する複雑なものであるが、近年、機能的脳画像診断法により、疼痛関連脳活動の理解がまさに今進められている。

 本研究の目的は、最新の脳画像診断法(f-MRI)を用いて、慢性腰痛を抱える患者の脳を撮影し、あおの病態を解明することである。

 

対象の選定

 慢性腰痛患者群は、福島県立医科大学附属病院整形外科、または総合南東北病院整形外科に通院または入院中の患者で、以下の基準を満たし、本研究についての意義について説明された後、同意が得られた者とする。

 

慢性腰痛患者(n=10)

・診断は、経験10年以上の脊椎外科医2名以上が診察し、病歴・一般身体所見・神経学的書県を総合し、決定する

・腰痛が3ヶ月(12週間)以上持続している

・主訴となる腰痛のVASの日内最高値が、少なくとも3以上である

・腰椎X線画像上、椎体(圧迫)骨折、腰椎分離、椎体すべり(変性または分離)、(椎間板腔狭小化)、側彎(変性または特発性)、脊椎症性変化が認められない

・腰椎を用いた骨密度測定を行い、骨量が若年成人平均値の80%以上である

・腰椎MRI上、(椎間板変性)、椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄、脊椎・脊髄腫瘍(原発・転移性)、炎症性疾患(化膿性脊椎炎等)が認められず、硬膜管・神経根の圧迫像を認めない

・下肢症状(根性疼痛)がなく、神経学的脱落徴候(下肢筋力低下、感覚低下、反射の低下から総合的に判断)が認められない

・L4/5椎間高位(Jacoby line)で正中から5cm左外側に圧痛がある。この圧痛刺激予定部位には、皮膚の障害を抱えていない。

 除外対象

・以前に腰椎手術を経験している

・主訴となる腰痛の発生要因が、明らかに事故または外傷による

・頚部痛、背部痛(T12以上)、多関節痛を合併している

・認知症を有する

・重度・不安定な神経精神疾患を有する

・明らかな脳疾患(脳梗塞、脳出血の既往等)、脊髄疾患を有する

・疼痛のため、安静が維持できない

・MRI禁忌の症例

・研究に同意・協力が得られない

・何らかの理由により、f-MRI撮像場所である総合南東北病院まで自身で行けない

 

急性腰痛患者(n=10)

・診断は、経験10年以上の脊椎外科医2名以上が診察し、病歴・一般身体所見・神経学的書県を総合し、決定する

・腰痛の発症から6週間以内に、症状が消失したことを確認する

・少なくとも先行する1か月間では腰痛を自覚しておらず、腰痛のために継続した通院をしていたり、内服治療を受けていたりしない

・主訴となる腰痛のVASの日内最高値が、少なくとも3以上である

・腰椎X線画像上、椎体(圧迫)骨折、腰椎分離、椎体すべり(変性または分離)、(椎間板腔狭小化)、側彎(変性または特発性)、脊椎症性変化が認められない

・腰椎を用いた骨密度測定を行い、骨量が若年成人平均値の80%以上である

・腰椎MRI上、(椎間板変性)、椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄、脊椎・脊髄腫瘍(原発・転移性)、炎症性疾患(化膿性脊椎炎等)が認められず、硬膜管・神経根の圧迫像を認めない

・下肢症状(根性疼痛)がなく、神経学的脱落徴候(下肢筋力低下、感覚低下、反射の低下から総合的に判断)が認められない

・L4/5椎間高位(Jacoby line)で正中から5cm左外側に圧痛がある。この圧痛刺激予定部位には、皮膚の障害を抱えていない。

 除外対象

・以前に腰椎手術を経験している

・主訴となる腰痛の発生要因が、明らかに事故または外傷による

・頚部痛、背部痛(T12以上)、多関節痛を合併している

・認知症を有する

・重度・不安定な神経精神疾患を有する

・明らかな脳疾患(脳梗塞、脳出血の既往等)、脊髄疾患を有する

・疼痛のため、安静が維持できない

・MRI禁忌の症例

・研究に同意・協力が得られない

・何らかの理由により、f-MRI撮像場所である総合南東北病院まで自身で行けない

 

正常対照ボランティア(n=10)

 福島県立医科大学整形外科学講座医局員より募集する。身長・体重、年齢、性別、喫煙歴を慢性腰痛患者群とマッチさせる。

研究期間 

 2009(平成21)年 9月〜

 

研究場所 

 福島県立医科大学整形外科主管

 総合南東北病院整形外科

 総合南東北病院放射線科

 京都大学麻酔科

 

主任研究者

 関口美穂実験動物研究施設長兼准教授

 

研究費用

 保険診療、講座研究費

update    2017年11月13日  10:43

当院では慢性腰痛に対する治験を実施しております。

菊地理事長のライフワークである腰痛研究の集大成が10年ぶりに大幅改訂

「腰痛 第2版」の購入はこちら

医学書院

Amazon

紺野愼一教授が解く新しい腰痛の原因

「自分で治せる腰痛」

の購入はこちら

大和書房

Amazon

矢吹省司教授が勧める腰痛の運動療法

「腰痛は「自分」で治せる」

の購入はこちら

Amazon

福島県立医科大学医学部

整形外科学講座

 〒960-1295

  福島県福島市光が丘1番地

Tel(代)024-547-1111

Fax  024-548-5505

Mail fortho@fmu.ac.jp

詳しい連絡先はこちら

since 2011/04/01