脳脊髄液減少症の診断・治療の確立に関する調査研究

背景と目的

 脳脊髄液減少症(低髄液圧症候群)は、脳脊髄液の漏出により、頭痛、めまい、悪心、嘔吐、聴力障害を引き起こす疾患で、25年以上も前にその疾患概念が提唱され、低髄液圧症候群に関しては、世界同一の概念で賛成されている。一方、ほぼ同義語で用いられてはいるが、低髄液圧症候群から比べると後年提唱された脳脊髄液減少症の中に、低髄液圧でないものも存在する等の個人的経験の論文があり、そのため、疾病の定義に混乱が生じ、我が国ではいくつかの問題が指摘されている。低髄液圧症候群の診断基準としては、国際頭痛学会、日本神経外傷学会の診断基準も存在するが、例えば国際頭痛学会の診断基準は、症状が中心の判定基準であり、さらに診断的治療法(ブラッドパッチをして症状が消えれば本症と診断する)が用いられているなど科学的でない。そのため、科学的な診断基準に基づく本症の患者数や原因疾患別等の検討は未だなされていない。近年、我が国では、本症と交通外傷の因果関係を巡る問題が生じ、種々の社会問題を起こしている。例えば、過剰医療と見逃し医療の問題、種々の疾病がこの疾患とされるものに含まれている可能性などである。この問題を解決するためには、本疾患の臨床像および診断基準を明確にする必要がある。

 本研究では、基本診療科である日本脳神経外科学会、日本整形外科学会、日本神経学会、本症に関連のある日本頭痛学会、日本脊椎脊髄病学会、日本脊髄障害医学会からの代表、診断に関連のある放射線医学、疫学・統計学の専門家から構成された研究組織により、これまで髄液漏の根拠とされていた画像診断所見の疾患特異性、髄液漏と症状の因果関係を検討する。その結果から、脳脊髄液減少症の科学的根拠に基づく診断基準を作成、本症の原因疾患、特に問題となっている「むち打ち症との関連」の疫学的解析や有効な治療法の検索を行い、最終的には「学会間の垣根を取り払い、誰がみても納得できる診療指針(ガイドライン)」を作成することが本研究の目的である。

 

対象の選定

 1. 対象患者

 主任・分担研究者および研究協力者所属施設を受診した「座位または立位による発生、あるいは増悪する頭痛」を主訴とする患者

 2. 選択基準

 1) 座位または立位により発生、あるいは増悪する頭痛があること

  頭痛以外の症状の有無は問わない

 3. 除外基準

 1) 意識障害のある患者

 2) 心不全、腎不全、肝不全、呼吸不全など重度の全身合併症がある患者

 3) 出血傾向のある患者

 4) 精神病または精神症状を合併しており、試験への参加が困難と判断される場合

 5) 妊娠中・妊娠中の可能性がある女性、授乳中の女性

 6) Gd造影剤、In-DTPA、局所麻酔薬に対するアレルギーの既往を有する患者

 7) その他、研究担当医師が不適当と考えた患者

研究期間 

 2008(平成20)年 4月〜

 

研究場所

 脳脊髄液減少症の診断・治療の確立に関する調査研究班

 (主任研究者:国立がん研究センター嘉山孝正理事長)

 福島県立医科大学整形外科、神経内科、放射線科

 山形大学脳神経外科、放射線診断科、公衆衛生・予防医学講座

 昭和大学救急科

 日本医科大学脳神経外科

 愛知医科大学脳神経外科

 名古屋市立大学脳神経外科

 京都大学脳神経外科

 大阪大学脳神経外科、核医学講座

 福井大学整形外科

 関東中央病院脳神経外科

 国際医療福祉大学熱海病院脳神経外科

 

主任研究者

 紺野愼一教授

     

研究費用

 厚生労働省科学研究費補助金/疾病・障害対策研究分野 こころの健康科学研究事業(2007年〜2010年)

 奨学寄付金(2011年〜)

 

ホームページ

 脳脊髄液減少症の診断・治療の確立に関する調査研究

 

研究成果

 脳脊髄液漏出症画像判定基準・画像診断基準

update    2017年11月13日  10:43

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