鬱血した組織に対する医療用ヒルの臨床応用

背景と目的

 1884年、ヒルの唾液から血液抗凝固作用のある物質が同定され、「hirudin」と命名された。HIrudinはフィブリノーゲンがフィブリンに変換されるのを阻害することで、抗凝固作用を発揮する。さらにヒルが噛むことで、抗ヒスタミン作用、血管拡張作用、麻酔作用が現れ、血液の抗凝固作用を助長することがわかっている。

 1980年代に医療用ヒルは、微小血管外科医によって、再接着指や四肢、皮弁の鬱血に対して、対処が困難な場合の治療法として再度見出されることになった。Gordonらによれば、鬱血を呈した再接着指7例に医療用ヒルを使用(平均6日間)し、6例で再接着に成功したという(Clin Orthop Rerated Res. 1989; 245: 133-137)。医療用ヒルは、欧米の手の外科センターで使用されており、本邦でも札幌医大、小郡第一病院、東京手の外科センター等多数の施設で1980年代から使用されている。アメリカ合衆国では2004年に医療用ヒルがFDAに認可された。

 医療用ヒルによる治療は、抜爪や指尖部の切開による瀉血と異なり、非常にゆっくりとした出血が長く続き、標的組織の循環が旧に変化せず、また、全身的な抗凝固療法や指尖部切開に比べて輸血を回避することができる利点がある。また、ヒルの噛み口による傷は他の代替療法に比べて組織障害が少ない。

 本研究の目的は、切断四肢・手指の再接着術後や遊離組織移植術後に動脈血の流入はあるが、静脈血の灌流が不十分な場合に、医療用ヒルを使用することによって鬱血を解除し、再手術を回避することと、再接着率や移植片の生存率を向上させることである。

 

対象者の選定

 四肢もしくは手指を切断肢、手術によって再接着を行った患者で、手術部位が鬱血を呈した場合

 または、遊離組織移植を実施された患者で、手術部位が鬱血を呈した場合

 

使用器材

 医療用ヒル(河野製作所

研究期間 

 2011(平成23)年 4月〜


研究場所

 福島県立医科大学附属病院整形外科

 

主任研究者

 川上亮一助教

 

研究費用 

 福島県立医科大学附属病院が負担

update    2017年9月22日  12:15

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